日本人は胃腸が弱い日本という国で考えたときに、他の国と異なる点・特徴は気候で「湿度が高い」ことです。湿度が高いということは中医学で考えると、「脾胃」と関係が深いとされます。一般的な解釈では、「胃=脾」もしくは古典では「脾=消化管全て」のことをさしているようです。この湿度が高いことで湿度→脾胃の機能が悪くなる→食べ物・水分の消化能力が低下する→食欲不振・浮腫みやすいという症状がでます。よって、日本人は全体的に胃腸が弱い傾向にあります。食養生においては、①飲み物は冷えたものは控えること冷たい=体温以下をあらわすので37度前後と以外にもぬるめ・・・現代的な解釈では冷たい水を摂ることで、胃・消化管が冷えて血流が悪くなり消化能力が低下すると考えられます。②飲み...28Apr2024
中医学で考える腰痛について3パターン腰痛これはヒトならば避けて通れぬ症状。人間は古来は4つ足歩行だったので、2足歩行になることで、本来使うはずじゃなかった筋肉である「大腰筋」に負担がかかると考えられます。4つ足歩行で、馬が前足上げたときに踏ん張るときに使う筋肉と考えると常時使う筋肉ではないなと。とその話は中医学とは関係がないので前置きなのですが、腰痛には3パターンあります。五臓でいうと、「肝」「腎」、経絡の「膀胱経」(「督脈」も)です。まず、ギックリ腰など急激に起きた場合は「筋肉」と関係が深い「肝」の失調が考えられます。現代でいうと、筋膜同士がうまく動かず捻挫に近いような状態である筋膜性腰痛であることが多いです。ただ、実際は原因不明、というパターンなのであくまでも想定...27Apr2024
養生 春は髪をほどいて、ゆったりした服を着る今回は養生についてきままに書いていきます。東洋医学では、春は「肝」や「木」「酸」「筋」「風」と関係が深いと言われています。木は「成長」や「伸びていく」といったイメージがあるため、縛り付けられるのを嫌います。なので、養生としてはのびのびゆるゆるがテーマ。髪の毛はおろして、服はゆったりめを着るのがおすすめ。また、五臓では「肝」と関係が深いと言われています。上記の通り、気がのぼりやすくなり頭部に溜まりやすいため、イライラしやすくなったり側頭部がしめつけられやすかったりします。(専門的に言うと肝の表裏である胆の経絡の通り道)セルフケアのツボでおすすめなのは足背部にある「太衝」です。足の親指と人差し指の付け根が交わるあたりです。このあたりがゴ...26Apr2024
トリガーポイントトリガーポイントという言葉はご存知でしょうか?聞き慣れないと思います。私も専門学校へ行くまでは単語すらしりませんでした。トリガーポイントとは、体の別の部位の筋肉が硬くなることで別の部位に影響がでるという理論です。分かりづらいので例をあげます。緊張性頭痛で頭の横側(側頭筋)が痛いとします。その際に、耳の後ろと首の付け根(後頭下筋群)の間を押すと、筋緊張性頭痛の側頭筋の痛みがなぜか起こる(再現される)、ということがあります。(また、後頭下筋群に反応がない場合は、第二選択肢として胸鎖乳突筋という首の前側にある筋張ったところの耳の下あたりを押してみるとずーんとした痛みがでることがあります。)つまり、その頭痛の原因は側頭筋ではなく、後頭下筋群...23Apr2024
指圧による痛み改善指圧をすると気持ちは良いですね。指圧によりなぜ症状が改善するのかを考えてみます。作用としては、指圧をすることで一時的に「虚血状態」という、血液を止めた状態を作り出します。そうすると血管拡張物質などがそこに発生し、指を離すことで同時に一気に血液が流れ込みます。血液が流れ込むことで、局所にあった発痛物質であるブラジキニンやプロスタグランジンなどといったものが流れていき、症状が改善することがあります。そしてトリガーポイントというものもあるのですが、それはまた別の機会に・・・頭痛で頭の横(側頭筋)が痛い人は首の付け根を指圧するとその痛みが同じように出てきたりします、そしてそこを指圧・鍼で刺すと頭痛が解消します。詳細はまた今度。16Apr2024
針で交感神経から副交感神経へリラックスな身体みなさん、交感神経と副交感神経はご存知でしょうか?単純にいうと、アクセルとブレーキによく例えられます。交感神経=戦闘モード アクセル副交感神経=リラックスモード ブレーキ起きている間は交感神経が優位になりやすいです。なぜならば、立つという姿勢は背中の筋肉は交感神経により支えられているからです。(脊柱起立筋)なので、横になると背中の筋肉は緩むのでリラックスモードとなります。専門的な話になりますが、胸と腰の前後は交感神経、頭と仙骨のあたりは副交感神経が支配しています。交感神経優位な身体へ鍼を入れるとそれまでずっと緊張していて固くなっていた背部の筋肉が緩みます。そうすると副交感神経優位になり、眠くなってくるこれが鍼のメカニズムです。12Apr2024
頭痛を鍼灸で頻度を下げる頭痛には大きく分けて3つあり、①緊張性頭痛、②片頭痛、③群発性頭痛があります。多くの人が前者二つです。見分け方の特徴は・緊張頭痛性頭痛ではデスクワークで夕方に起こりやすい、締め付けるような痛み、温めると改善する・片頭痛では、起こる前に予兆で目がチカチカする(閃輝暗点)、ずきんずきんという拍動性の痛み、冷やすと改善するです。群発性頭痛はあまり見かけないですが、目の奥を刺すような激しい痛みが起こる、男性に多いという特徴があります。①緊張性の頭痛原因はデスクワークにより同じ姿勢、目が疲れてきて首肩の血流が悪くなり起こります。そのため、疲れが溜まってくる特に夕方に起こりやすいです。また、天候も関係してくるのですがこれは漢方では水毒、中医学で...08Apr2024
針による鎮痛効果〜作用機序・メカニズム〜についてなぜ鍼をすると痛みが収まるのか?メカニズム・作用機序は現代の医学で9割解明されています。大きく分けて3つほどあり、新しい情報は③、古くから言われているのが①と②です。①「オピオイド受容体」へくっつくことによる鎮痛効果鍼を刺すことで内因性モルヒネ様物質である、エンドルフィン、ダイノルフィン、エンケファリンという物質が脳から出ます。そしてそれらがオピオイド受容体というものにくっつき、鎮痛効果が出ます。いわゆる脳内モルヒネ、というやつでしょうか…痛いのは嫌だもんね・・・多分、体に鍼を刺すという事で痛みを感じ、生態防御的に出るのかな…鍼麻酔というのが中国であって、合谷というツボにガシガシ刺激いれたりすると15分くらいか効いてきたとか。そのう...06Apr2024
春はイライラしやすい4月になり、春らしい季節になりました。東洋医学では春という季節は「肝」が失調しやすいと言われています。ちなみに「肝」=自律神経と解釈するとわかりやすいです。失調すると、「肝気鬱結」「肝鬱気滞」「肝血虚」という病態になります。症状としては、イライラして頭が痛い、落ち込む、喉に何か詰まった感じがして気持ちが悪い、ゲップが出る、吐き気がするなど肝は血を作っているため、不足することで「肝血虚」として目が乾く、足が攣る、爪が割れやすい、睡眠障害といった事が起こりえます。(西洋医学でいう肝臓のことではない、器質ではなく機能の意味で東洋医学では言います。)養生として何をすれば良いのかというと、素問という古典によると、春は動いて発散すると良いとされ...04Apr2024
化粧水だけで十分?美容鍼灸について突然ですが皆さん「良い化粧水で十分なケアができていますか?」化粧水だけだとお顔の血流改善はできていないので、セルフケアとしてはお顔の蒸しタオルも良いですね。しかし、・・・身体の血流改善をするともっとお顔へ良いケアができます。『顔は、身体(五臓)の状態を反映する部位』と東洋医学で考えます。美容鍼は顔だけに行うイメージがありますが、実は身体にも行うことが大切です。例えば、肩こりで血流が悪いとします。そうすると、当然、肩よりも上にある顔へも血液が巡らず顔色が悪くなります。つまり、結果的に顔色が悪い状態になります。それはなぜでしょうか?血液には栄養・酸素を運ぶ役割もあります。それらが巡らないと、お肌の構成成分であるエラスチンやコラーゲンの生...03Apr2024